写真展ふたつ [雑記]

先日、恵比寿の東京都写真美術館に行ってきました。
かつて美術館で写真を収蔵するという意識が低かった時代を考えると
このような美術館は本当にうれしいものです。

お目当ては「山沢栄子展」でしたが、こちらもやっていたので。

「中野正貴写真展 東京」
DSC_0539.JPG

わざわざ人のいない時間に撮影された都市の姿。
写真から静寂と恐怖を感じ取りました。
何かによって忽然と人間が消されて廃墟になっていく、
そのスタートのような、ぞっとする感覚。
知っている場所も多く、だからこそ余計に背中からすっと寒気が立つ。
巨大プリント作品だったので迫力もありました。

お目当ての「山沢栄子 私の現代展」
DSC_0538.JPG
大好きな写真家さんです。
様々な美術館でのアンケートの「やってほしい展示はなんですか?」との問いには
必ず「山沢栄子展」と書き続けてきました。
30年近く前にNHKで山沢さんのドキュメンタリーを見て、その作品と語られる言葉に衝撃を受けました。潔く、常に前進していて、引き算しつくした画面構成をしていて凛とした美しさがあります。ドキュメンタリーの撮影時点では山沢さんは老人ホームに入っていらしていて、体力的にカメラでの撮影は大変になっており、創作活動はコラージュ作品へと変化していました。
抽象画が好きな私にとって、山沢さんの作品は「探していたもの」という感じがしました。
当時、ファンレターを出したおかげで、お亡くなりになった際に後援会?から「偲ぶ会」のお知らせをいただいたのも思い出です。

今回の展示は山沢さんがだんだんとアブストラクト写真へと表現が進化してゆく過程を見せてもらえて、大変面白かったです。
コメント(2) 
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遠き落日

東京の写真展! 東京というのは肥大化し過ぎた大都市ですね。最近、Tokyo Sketchというリアルな色鉛筆による東京の町並みを描いた画集を買いました。東京には物凄くたくさんの人がいるのに、風景には物凄く孤独感が漂っていて、ぞっとします。この孤独感は何だろう!
by 遠き落日 (2020-02-14 17:59) 

きんかんどう

遠き落日さま

コメントありがとうございます。
Tokyo Sketchという画集、調べて見ました!とてもリアルですね。あんなにリアルに描けたら面白いだろうなあ・・・

たくさんの人がいても、ただいるだけではモノと同じ。。。なんですよね。


by きんかんどう (2020-02-17 09:36) 

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